2015年7月11日土曜日

イタリア戦


ワールドグランプリ第2週目、埼玉大会の初日、日本はイタリアと対戦。結果は3-2 (25-15, 23-25, 25-27, 26-24, 15-12) のフルセットでイタリアが勝利した。

いつもどうりスタートから乗り切れず後追い状態の日本、これまでと違ったのは、いつもの後半の追い上げはなく、イタリアに圧倒されたまま第1セットを落す。第2セット、セッターを宮下選手、長岡選手を宮部選手へ代え、木村選手がオポジットポジションにスイッチする。しかし相変わらず序盤バタついた試合内容でなかなか宮部選手に良いトスが上がらなず、さすがに宮部選手も固さから開放されるきっかけを得ず、なかなか最初の一本を決めさせてもらえない。接戦で迎えたセットの後半、苦しい体制からやっと一本スパイクを決める。本来なら最も良い状況でベテラン選手のサポートを得ながらの若さを生かした思い切ったプレイを見せてもらいたかったところだが、この試合での日本のベテラン選手にはそんな余裕は全く無い。チーム苦境の中、むしろ頼られながら新人の宮部選手はこのセット、自力でデビュー戦の硬さを克服したように見えた。

第2セットの接戦を制した日本は続く第3セットようやくペースをつかみ、ミスの出始めたイタリアを大きくリード。しかし後半大事なところで木村選手が崩れ、連続失点。鍋谷選手と交代するが完全に流れがイタリアへ変わり逆転を許し、セットポイントを取られるまでに追い込まれる。しかし、イタリアのミスに助けられ日本は何とかこのセットを取る。序盤から接戦の第4セットは、宮部、古賀の両エースが良く決め、後半ようやく日本のブロックも出始める。しかしアンラッキーだったのがタッチを取られてしまったデュース後のボセッティ選手のスパイク。リプレイのビデオでタッチが無いのは明らかに見えたが、既に日本は2回のチャレンジを使い切ったあとで、ポイントがイタリアへ行ってしまい、そのままこのセットを取られる。

最終セットもほぼ互角の戦いではあったが、後半レフトだよりの単調な日本の攻撃がイタリアのブロックに捕まり、リードを許し、そのままセットを取られ、残念ながら日本はこの試合を落とすことになる。個人的にはこのセットの後半、ピンチサーヴァとしてではなく、もう一度木村選手をコートに戻して、攻撃の幅を広げてもよかったのではと思った。イタリア戦を見ていつも思うことはと木村選手への対策が徹底されていること。ブロックのきついマークに加え、レシーバーも木村選手の得意とする深いクロスのコースにしっかり入り、なかなか決めさせてもらえない。その上サーヴでも徹底して狙われる。もちろん他のチームも同様に仕掛けてくるが、イタリアはより効果的にプレッシャーをかけて来るように思う。逆にイタリア対策として器用な木村選手の攻撃パターンを他の試合であまり見せないパターンに変え、移動攻撃など交えて戦っても面白いのではと思う。


おそらくこの試合の注目は宮部選手に集まるのであろうと思うし、もちろんデビュー戦としては素晴らしい活躍だった。しかし、オリンピック出場のかかったワールドカップを前に、新人を試すのではなく、新人に頼らざるを得ない戦い方をしてしまっている全日本に大きな不安を感じてしまった。調子の波があまりにも多すぎるアタッカー陣も問題だが、やはり最大の課題はセッターになるのではないかと思う。サーヴカットが返っていないということもあるかもしれないが、この試合第3セットまで日本のセンター攻撃はほとんど機能していなかった。第1セットにいたっては、イタリアのブロックが5本と、日本の攻撃がいかに単調であったかがわかる。トスを上げるのに精一杯で試合中ゲームメイクをしていく余裕が無いように思う。結果、勝負どころで相手に読まれる単調なセットになり、アタッカーへの力頼みの試合展開になってしまっている。さすがに単調なトスでの打ち合いになってしまっては、いくら力があっても日本のアタッカーが大きい海外の選手と勝負するのは厳しい。

最後に、今日の試合、苦しい日本を支えた古賀選手。ミスをしても決して引きずらず、相変わらず安定したプレイを見せていた。高いイタリアのブロックが2枚ついても、しっかり打ち切れる余裕と技も見事。既に今の全日本のコートになくてはならない存在になりつつある。またベテランの中で唯一光っていたのが山口選手。要所要所、冷静なプレイで若手をサポートしていた。この大会では大竹選手に代わり途中出場が多いが、コートに入るととても安心できるプレイを見せてくれてる。宮下選手も彼女がコート入ると少しプレイに余裕が出るようにも思える。


今日の相手はドミニカ共和国。中心選手の多くがパンアメリカンの大会へ行っているので、世界選手権でのような強さは無い。頑張れ日本!



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