ワールドカップ女子の2日目は、ロシア、セルビア、中国、アルゼンチン、韓国、ドミニカ共和国がそれぞれ勝利した。
日本は最初の山場とも言えるロシア戦。 ワールドグランプリでは手も足をでなかった相手だ。硬さからミスを連発するロシアから日本は簡単に第一セットを先取。しかし第2セット、ケガから復帰したコシュレヴァ選手がコートに入り、流れを変える。崩れていたレセプションも安定し始め、高い打点から次々に強打を決めるロシアに2セットを連取され、日本は後が無くなる。 ここで、スターティングメンバーの石井選手と長岡選手を下げ、古賀選手と内瀬戸選手を投入。 接戦で第4セットを取り返し、ファイナルセットへ持ち込む。一点を争う緊迫した最終セット、ラリーを征したロシアがそのままリードも保ち、勝利する。 残念。
負けはしたが、今日の日本はワールドグランプリとは見違えたプレイを見せた。特に木村選手、勝ちたいという気持ちが前面に溢れ、チームを引っ張っていた。この試合で、ロシアは勝てる相手だと言う手ごたえがあったと思う。〔本来ならグランプリでそれをつかみ本番に備えてほしかったが)。 今後必要なのは勝つための対策の追求ではないだろうか。高さはあるが、ロシアの攻撃は単調で、打ってくるコースも殆どがクロスコート。 センター攻撃にいたっては、この試合5セットで7回しかトスが上がっておらず、合計6得点。アローヴァ選手にいたっては、たったの2回のアテンプト。 日本もセンター攻撃が少ないが、ロシアはさらに少なく、的が絞りやすい。 ただ両サイドからの攻撃は、日本の不得意とするエンドラインへの強打が多いため、通常のポジショニングで、まして小さい日本にとってレシーヴすることは容易ではない。もっと大胆な対策がなされてもいいように思う。 加えてラリー中の攻撃パターン。せっかく拾っても、ロシアと同じようなレフトの打ち合いになっては勝ち目が無いので、もっと変化が必要だと思う。
この試合でちょっと疑問に感じたのはサーヴの狙い。 第1セットは日本のサーヴが走り、ロシアのリベロ、マロバ選手を見事に崩した。日本はそのまま最後までマロバ選手を狙っていたようだが、第2セット以降はあまり大きく崩すことは出来なかった。個人的には途中、復帰後まだあまり試合に出ていない、コシュレヴァ選手あたりにターゲットを移しても良かったのではと思う。特にアタックの調子が良かっただけに。加えて試合後半前衛でのセッター交代。ブロックのいい宮下選手ではあるが、突然ああいった場面での起用にはまだ経験が浅いように思う。
痛い一敗ではあったが、今日アメリカがセルビアに破れ、同じく1敗。 中国もキャプテンを欠く万全ではない状態なので、まだまだ日本にもチャンスがある。
そして今日もうひとつの注目の熱戦となったのが、そのアメリカ対セルビア。 昨日同様、この大会の台風の目ともいえるセルビアが世界選手権、グランプリのチャンピオン、アメリカを苦しめる。 第1セット、高さとパワーでセルビアがアメリカを圧倒。セルビアはヒル選手を徹底してサーヴで狙い、アメリカの早い攻撃システムを崩しにかかる。中国、ロシアと違い、システムが崩れた時のアメリカは得点力が下がる。セルビアの高いブロックが2段になったアメリカの攻撃を封じ得点を重ねる。セルビアのブロックはこの試合計22本。凄い数字だ。アメリカはメンバーチェンジを試み、全員バレーで続く2セット連取し、試合をリードしようとする。 昨日のセルビアであれば、このまま逆転負けとなるところだが、今日は違った。集中力を切らさず、サーヴ、ブロックでアメリカにプレッシャーを欠け、193cm、18歳の左利きオポジット、ボスコビッチ選手とミハイロビッチ選手が打ちまくる。最終セット、勢いに乗ったセルビアはシステムが崩れたアメリカを全く寄せ付けず、この試合を勝利。早くも優勝候補に黒星をつけた。
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