いよいよ開幕するワールドカップ男子。 ワールドリーグ優勝のフランス、準優勝のセルビア、そして世界ランキング1位のブラジルが不参加だが、来年のオリンピック優勝候補といえるアメリカ、ロシア、そして昨年の世界選手権優勝のポーランド他強豪が揃っている。 力が均衡する現在の男子バレー、女子以上に混戦が予想される。
今季アジア選手権優勝し確実な進歩を見せている全日本だが、参加チームのほとんどが格上。どの試合も厳しいチャレンジになることは間違いない。 そんな状況下、まず最低限の目標として、エジプト、ベネズエラ、チュニジアに勝ち3勝、そして出来ればアジアのライバル、オーストラリアや同じワールドリーグのグループ2に位置する、アルゼンチン、カナダあたりから勝ち星を上げてほしい。 同時に世界選手権に参加できなかったこと、そしてワールドリーグがグループ分けになったことで、近年なかなか世界のトップチームと公式戦で戦う機会のなかった日本。 女子にかかったようなプレッシャーは現時点ではないと思うので、今の実力を試す意味で、強豪チームと精一杯戦ってほしい。
以下この大会で個人的に注目しているチームをいくつか紹介したい。
まずイタリア。なんといってもホワントレーナ選手のプレイが国際大会の場で見れるのが楽しみだ。 2003年から2006年までキューバのナショナルチームで活躍し、その後イタリアへ渡り、在籍するクラヴチームをリーグ優勝、そしてクラヴ世界選手権でも2009年から2012年の3年に渡り、イタリアセリアA1のトレンティノを優勝へ導びき、数々のMVPにも輝いた世界屈指のアウトサイド。 彼の参加によるチームのレベルアップは間違いない。 イタリアを引っぱってきたスーパーエースのザイツェフ選手や大会開幕日に19歳となる期待の若手セッター、シモーネ・ジアネリ選手、安定感を増したランザ選手他、今イタリアはここ数年で最強のラインアップとなりつつあるように思う。
続いてアレクノ監督が復帰したロシア。 ワールドリーグでは過去最悪の結果を残してしまったが、予想通り、ロンドンオリンピックで活躍し、長年監督の元で活躍したベテランが代表復帰している。 特に今年40歳になるテチュウキン選手。 代表からは引退を発表していたものの、ロシア・スーパーリーグ所属のクラヴチームではチームのかなめとして活躍、今季MVPにも輝いた。 アウトサイドポジションに不安を抱えた現在のロシアチームにとって今回の彼の復帰は大きい。 6度目のオリンピックを目指すベテランの活躍に期待したい。 (ちなみに過去オリンピックに6度の出場を果たした選手、女子ではロシアのアルタモノワ選手、ブラジルのフォファナ選手、男子ではブラジルのマウリシオ・リマ選手、そしてイタリアのアンドレア・ジアーニ選手。) また驚異の跳躍力で鋭いアタックを打ち込むサウスポー、ポルタエフ選手他期待の若手新人も今回ロースターに加わっているので注目したい。
アメリカも間違いなく優勝候補。 おそらく現在世界最高のプレイヤーの一人アンダーソン選手を筆頭に、スピードと高さを誇るセンタープレイヤー、ホルト選手、今シーズンからアウトサイドでプレイしている新人のラッセル選手や昨年のワールドリーグで活躍したサンダース選手やセッターのマイカ選手など、フィジカル面では他のチームからひとつ抜けている。 問題は自分達のレベルのプレイを常に保てるかどうかだ。
その他、今年のパンアメリカンでセカンドチームとは言えブラジルを破り、べラスコ監督就任後ようやくチームが出来上がりつつあるアルゼンチンやNORCECAでアメリカを破ったカナダ、決勝進出を逃がしたものの昨年に続き、ワールドリーグで強さを見せたイランや安定した力を見せるポーランドとどの試合も見ごたえのあるゲームが期待される。
日本の初戦の相手はエジプト。 まずは確実に1勝を上げてほしい。 頑張れ日本!
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