2015年7月31日金曜日

お疲れ様でした

キューバ女子バレーの黄金期を支えたユミルカ・ルイズ選手〔37歳)が引退を発表した。

昨年暮れ、ロシアのスーパーリーグでプレイ中膝を負傷。リハビリ後、バレーを続けることは困難だという医師の診断を受け引退に至った。

アテネ、シドニーと2度のオリンピックで金メダル、1998年の世界選手権、1999年のワールドカップでも優勝。伝説のスター、ミレイヤ・レイス選手の後を受け、強いキューバ女子バレーを象徴した選手の一人だった。ナショナルチームを離れた後は、ロシアのスーパーリーグで活躍し、2005年にはMVPにも輝いた。

今後は国際オリンピック委員会の活動に専念していくという。 

長い間本当にお疲れ様でした! 

2015年7月30日木曜日

ワールドグランプリを振り返って

今年のワールドグランプリの結果は、優勝がアメリカ、2位ロシア、3位ブラジル、4位中国、5位イタリア、そして6位日本。予選全勝の中国がベストメンバーを決勝ラウンドに送り込まなかったこともあり、アメリカの圧勝的強さが印象に残る大会だった。

中国と並び現在のアメリカは間違いなく世界から頭ひとつ抜けている。特にロースターの厚さでは世界一ではないだろうか。登録されているすべてのプレイヤーを大会を通してバランスよく起用し、どの選手がコートに入っても力の差が出ない総合的強さを見せた。加えて、同時にトロントで行われていたパンアメリカンの大会では、全く別のチームで、
ベストメンバーで挑んだドミニカ共和国やフェグレイ選手やジャクリン選手を含むブラジルを押さえ優勝している。決勝の模様を映像で見たが、早い攻撃を軸にしたバレーは、グランプリで優勝したチームとさほど違いは感じられなかった。おそらくアメリカ代表チームのプログラムが、一貫されたシステムによって連ねかれ、チーム全体が向上している結果の表れだと思う。どの選手が入ってもなかなか思うようなバレーができなかった今回の日本チームとは対照的だ。また大会中興味深かったのは、タイムアウト時のベンチの様子。その時のローテーションで前衛ブロックの中心になるセンターの選手が、相手の攻撃への対処を監督に代わりチームに再確認する場面が多く見られた。ただベンチからの支持を受けて動くのではなく、コートに入る選手が自主的にどういう戦い方をしているのかを考えしっかり理解し確認している様子が印象的だった。今のアメリカはチーム全体、各選手レベルでどういうバレーをやっていくのかというコンセンサスがしっかりとれているのだと思う。

そのアメリカを予選で倒した優勝候補中国は、決勝ラウンドを控え選手にまかせ、ワールドカップに焦点を絞ったようだ。昨年よりさらに強さを増し、近年最も成長を遂げているチームだと思う。若手の台頭により、荒さの目立つバレーの印象が強かった数年前とは見違えるほど、いろんな部分で修正が行われている。特にこの大会ではレセプション、そしてサーヴ力のアップが印象的だった。アメリカほどのスピードは無いが、パワーと高さを生かしたバレーではおそらく上。加えてシステムが乱れても、2段トスを打ち切れるエースの存在が大きい。ワールドカップでも間違いなくアメリカと並び優勝候補となるチームだ。

若手中心のチームで挑んだブラジルはアメリカ、ロシアに負けわしたものの、さすがにしっかりメダルを獲得。中国、アメリカに比べると世代交代に苦しんでいる感はあるものの、トップチームの実力を見せた。ワールドカップへの参加がないため、今季はチームの中心であるベテラン勢をゆっくり休ませ、ベストなコンディションで来年のオリンピックにかけてくるのであろう。

そして日本。昨年の世界選手権にもまさり、チームにとっては非常に厳しい大会だったのではないだろうか。もともと日本は、過去いろんな選手や戦法を試し、シーズンのコンディションを見極め、同時に他のチームのデータを集めるような場にこの大会を置いていたように思うが、決勝ラウンドで他のチームとここまでレベルの違いを見せつけられたことは近年珍しい。思うに、日本がハイブリッド6という新しくも困難な取り組みを行っている間に、他のトップチームでは個々の選手の技術を向上させ、チームとして目指すバレーのレベルアップに成功しているのではないだろうか。逆に日本はオールラウンドであるということにプライオリティを置いたため、本来極められるべきポジションのスキルの向上があまり出来ていないように感じる。結果決め手に欠けてしまい、どの試合も、またどの選手が出ても中途半端で、チームがいったいどんなバレーを目指しているのか、見ている側にはあまり伝わってこなかった。特に日本のバレーの要となるべきセッターやリベロポジションは、数字に表れている通り、海外のチームから逆に遅れを取り始めてしまっている。古賀選手や宮部選手のような明るい要素もあるが、来年のオリンピックで勝つためには彼女らに頼るようなバレーをしていては厳しい。前回銅メダルをとった功績は素晴らしいし、もちろん新鍋選手や江畑選手が今回参加していないこともあるが、今の日本チームはあの時のレベルではなくなってしまっている。そんな状況でトップチームに勝てるほど世界は甘くないということをこの大会で痛感出来たのではないだろうか。 ワールドカップまではもう時間も無いので、修正は難しいと思われるが、是非今回の悔しさを来年につなげていってもらいたい。 頑張れニッポン!

以下個人賞


2015年7月29日水曜日

イタリアよどこへ

イタリア男子ナショナルチームの監督、マウロ・ベルート氏が辞任を発表した。

ワールドリーグ決勝ラウンドでチームのルールを違反したことから、キャプテンを含む4人のキイプレイヤーを急遽ロースターから外し、本来の力を発揮出来なかったイタリア。予選ではブラジル、セルビアから勝利を挙げ、十分優勝を狙える位置にいただけに残念な結果だった。加えてワールドカップではセリエA、チャンピオンズリーグのスター、ホワントレーナ選手〔元キューバ)のチームヘの参加が発表され、今季そしてオリンピックへの期待が高まっていた。

ワールドリーグで過去最悪の結果に終わったロシアの監督交代に続き〔アレクノ監督がカムバック!)今回のニュース。ワールドカップを目前に両チームの動きが気になる。なおイタリアの新監督はまだ発表されていない。

2015年7月26日日曜日

ロシアに敗れ決勝ラウンド全敗

ワールドグランプリ決勝ラウンド最終戦、日本はロシアと戦った。結果はストレートでロシアの勝利。

昨日に近いスタメンの日本だが、第1セット、レセプションが乱れに乱れ、ロシアに大差をつけられ落としてしまう。ああいった崩れ方をしてしまったとき、タイムアウトを取るだけでなく、やはりレセプションを4人にするとか、一時的メンバーチェンジなど、何か策が取られるべきだと思う。この大会で明らかにレセプションの弱点を世界に知られてしまった日本、ワールドカップに向けてもある程度推定されるべきポイントのひとつだと思う。

アメリカ、ブラジル、中国に比べると極端にセンターからの攻撃が少ないロシアは日本にとってはどちらかというと戦いやすい相手のはず。しかしロシアの単調な攻撃に対し、日本のセンター陣のブロックは全く機能せず、高さは明らかだが、タイミング、コースなど、ほとんど的すら絞れておらず、レシーバーとの連携もあまり感じられなかった。ハイブリッド6ではなく、センタープレイヤーを入れたフォーメーションで戦うのであれば、もっと高さのあるブロック力のある選手が必要だと思う。ロシアもベストメンバーとは言いがたい若いラインアップだったが、さすがに強い。高い打点からの攻撃もさることながら、この大会では特にディフェンスの良さを見せており、この試合でも日本のディグ28に対し42。本来なら日本が勝るべきレシーヴ力でも今の日本をはるかに上回った。特にベストリベロに選ばれたマロバ選手、日本の強打やフェイントをことごとく上げ、素晴らしいプレイを見せていた。

中国、アメリカ戦に続き、この大会での日本チームと明らかにレベルの違いを見せられてしまった試合だった。 


接戦でイタリアに敗れる

ワールドグランプリ決勝ラウンド第4戦、日本はイタリアと戦った。結果はフルセットの接戦の末イタリアが勝利。

日本はこれまであまりスタメンで出ていなかった若い選手中心〔内瀬戸、鍋谷、宮下、迫田、島村、山口)でこの試合に挑んだ。昨日中国を破り、勢いに乗っているイタリアは高い打点からスパイクを打ち込み、序盤試合をリードする。しかし、今日の日本は非常に粘り強く、長いラリーの中でミスを誘い、イタリアを苦しめる。結果イタリアは控え選手のほとんどうを起用する総力戦。コート内の雰囲気もこれまでの試合で一番良かったのではないだろうか。第4セット、第5セット、マッチポイントを取りながらも逆転されたのは痛かったが、メンバーチェンジしないで、スタメンの若い選手が試合経験出来たことは大きかったのではないかと思う。負けということにちがいはないのだが、今日の負けは勝機の見えた負けだったのではないだろうか。

そんな中、素晴らしい活躍をしたのは内瀬戸選手。イタリアの高いブロックを巧みにかわし、これまで全く機能していなかったライトポジションを見事にこなしていた。内瀬戸選手の素晴らしいところは、守備から攻撃に入るトランジッションの速さ。ほぼ助走無しでも打てることから、他の選手であればフェイントになるようラリー中のセットを強打に出来る。同時にデフェンス。彼女と宮下選手が入ることによって、日本の守備は遥かによくなると思う。レセプションで’も大きく崩れることが少ない。加えて宮下選手。トスの安定やゲームメイクの仕方にまだまだ改善の余地があるようだが、サーヴ、ブロック、ディフェンス力で今チームの中では間違いなく抜きに出ている選手だと思う。この試合でもブロック5本とエース2本はチームトップの数字だ。現在日本のセッターで海外のチームに対し、これに近い数字を出せる選手はいない。 彼女を世界1のセッターに育てることがメダルへの近道ではないだろうか。そのためにはもっともっと試合に出て国際試合の経験を積んでほしい。

今日の相手は昨日中国に敗れたロシア。頑張れ日本! 


2015年7月24日金曜日

ブラジル戦

ワールドグランプリ決勝ラウンド3日目、日本はブラジルと戦った。結果はストレートでブラジルの勝利。

今日日本は木村選手に代わり石井選手がスタメン入り、若いブラジルと第1、2セット競った戦いをする。しかしこの試合、ブロック、そしてディフェンスでも日本を勝るブラジルにセット後半でリードを許し、そのまま各セットを取られる。日本は第3セット、メンバーを入れ替え反撃を試みるが、効果はなく、ブラジルに簡単にセットをとられ、決勝ラウンド3連敗となった。

数字が表すとおり日本はブラジルのブロック(15)に圧倒された。アタッカーの調子もあるが、やはりトスの質も含めた攻撃の仕方に問題がある。加えてブラジルのミドルの総得点32〔内サーヴィスエース3)に対し日本が7点。日本のセンター線の弱さを見せ付けられた。ただ、ここまでの2戦に比べると、最初の2セットで少し日本らしさが出ていたように思う。アメリカや中国に比べ今回の若いブラジルチームはサーヴがさほど強くなかったので、少し戦いやすかったのではないだろうか。特に、第3セット交代させられてしまったものの、古賀選手が頑張っていたと思う。この大会の日本のロースターでは、誰が入ってもオポジットのポジションが全く機能しないので、どうしてもレフトへのマークが厳しくなるが、そんな中良く決めていた。それにしても新鍋選手、江畑選手のいない穴は大きいと痛感する。

残り2戦、個人的には宮下選手をはじめ若い選手達に経験を積ませてほしいと願う。頑張れ日本! 


2015年7月23日木曜日

中国にまたも完敗

ワールドグランプリ決勝ラウンド2戦目、日本は予選で完敗した中国と戦った。結果は3-0で中国の勝利。

昨日同様、日本のバレーはこの試合でも全く通用せず、レベルの違いを見せ付けられてしまった。決勝ラウンド、コーチも含め控えのメンバーで戦っている中国。昨日のブラジル戦でこのチームのキャプテン、セッターが負傷したため、今日の試合ではそのまた控えのセッターを起用。しかしそれでも、高いレベルを維持、日本を全く寄せ付けなかった。特筆すべきは安定したレセプション。若く大きい選手達が素晴らしいボールコントロールで高さとパワーだけではない、スキルの高さを見せた。加えて、中国はどの選手が出てきても闘志を前面に現し、チームを盛り上げ、自らを勢いずけることが出来ている。

一方の日本は相変わらず、すべてのエリアにおいてプレイが安定せず、ミスを連発。プレイへの自信を失ってしまっているかのように、選手からの気迫が見ていても伝わってこない。試合内容としては昨日に続き、この大会最悪だったのではないだろうか。 テクニカルな部分での問題以上に、昨年までの日本であれば、序盤上調子が上がらなくても、試合の中で持ち直せる自信みたいなものが感じられたのだが、今のチームからは全くそういったチーム力が感じられないことが心配だ。

明日の相手は今日ロシアに敗れてしまったブラジル。 監督とフェガレイ選手他、トロントで行われているパンアメリカンへ参加しているので予選で戦ったチームとラインナップが少し違っている。 頑張れ日本!





2015年7月22日水曜日

アメリカ強し!

ワールドグランプリ決勝ラウンド初戦、日本は世界ランク1位のアメリカと戦った。結果は3-0(25-12, 25-15, 25-18)でアメリカが圧勝。

今日の日本はアメリカに全く歯がたたなかった。攻撃はほとんど通用せず、取れたポイントの大半が相手のミスによるもの。残念ながらレベルの違いを見せ付けられたような試合だった。もちろんサイズ、パワーの違いはあるが日本が勝るべき他のエリアにおいても、この試合を見る限り、今の日本はアメリカに劣ってしまっているように思う。特にセッター。正セッターであるグラス選手がケガで欠場しているにも拘らず、若いクレクロ選手とトンプソン選手の安定したスピードのあるセットワーク〔特にトランジッションのスピード)は日本のセッター陣を勝っている。

サーヴレシーブがそれほど崩れ無かったにも拘らず、攻撃が機能しなかった事実を考えると、もちろん攻撃陣の出来もあるが、同時にトスの質、そして攻撃の組み立てに問題があるのではないかと思う。何度も書いているがラリー中のセットがどうしても安定しないので、せっかく上がったボールが得点に繋がらないのも大きい。特に毎試合で見られるセンター攻撃のトスの低さはアタッカーのミスを引き起こしてしまっている。世界のトップと互角に戦うためには修正が必要だと思う。何とか頑張ってほしい。

明日の相手は今日ブラジルに敗れた中国。これまでのスタメン、ベスト6がこのラウンドに参加していないが、高さとパワーがある。ただ経験の浅い選手主体なので、日本が本来のバレーを出せれば勝てる相手だ。 頑張れ日本!





その他、ロシアがイタリアを3-0で下した。 


2015年7月19日日曜日

フランス初優勝!

ブラジルのリオで行われた第26回ワールドリーグの決勝、フランス対セルビアはフランスが3-0のストレートで勝ち、初優勝を飾った。

数字が表すとおり、今日のセルビアはエースのタナスエビッチを始め、レセプションでもミスが目立ち、これまでの試合で見せた力を出すことは出来なかった。一方のフランスはエース、エンガペス選手がサーヴ、アタックで大活躍。ルイジエ選手と共にチームをリードした。しかし攻撃もさることながら、強いフランスのバレーを支えているのはリベロのグレベニコフ選手を中心にした硬いディフェンスとセッター、トニユッティ選手の早くて多彩なトスワークだと思う。この大会、負けはアメリカ戦の1敗のみという素晴らしい成績で優勝となった。




3位決定戦はアメリカがストレートでポーランドを下しブロンズメダルを獲得した。

今日のアメリカはスタートから緊張感とエネルギー満ち溢れるようなプレイでポーランドにプレッシャーをかけた。特にこの試合ではサーヴミスが少なく、ポーランドのレセプションを苦しませた。一方のポーランドは珍しく、キャプテン、クビアック選手の調子が上がらず、途中交代。同時にエース、クーレック選手もミスを連発し、コートを離れることになる。控えの選手が健闘し、接戦となるが、アメリカの勢いを止めることが出来ず、第3セットも後半リードするものの、逆転負け、メダルを逃がした。




以下個人賞

• 1st Best Outside Spiker: 

  Earvin Ngapeth (FRA)
• 2nd Best Outside Spiker:  
  Michal Kubiak (POL)
• 1st Best Middle Blocker: 
  Maxwell Holt (USA)
• 2nd Best Middle Blocker: 
  Srecko Lisinac (SRB)
• Best Libero:
        Pawel Zatorski (POL)
• Best Setter:
        Benjamin Toniutti (FRA)
• Opposite Spiker:
  Aleksandar Atanasijevic (SRB)
• MVP: 
Earvin Ngapeth (FRA)

2015年7月18日土曜日

ワールドリーグ決勝はセルビア対フランス!

ワールドリーグのセミファイナル第1試合、セルビア対アメリカはフルセット大熱戦の末、セルビアが勝利。

決勝ラウンド、試合によって非常にムラのあるプレイを見せてしまっているアメリカは、いつもの調子がでないままセルビアに2セットを連取される。しかし、スーパーエースのアンダーソン選手がチームを引っ張り、レセプションが崩れ始めたセルビアから続く2セットを取り返し、試合をフルセットへと持ち込む。途中10-4と大きくリードするが、不運なネットタッチコールやミスで、粘るセルビアに追いつかれてしまう。そしてポーランド戦最終セット同様、グルビッチ監督のピンチサーバー起用(オコリッチ選手)が功を奏し、アメリカのレセプションを崩し連続ポイントで逆転勝利する。エース、タナスエビッチ選手の活躍もさることながら、今日のセルビアはコバセビッチ兄弟を中心に攻守に手堅いバレーで強さを発揮した。逆にアメリカは、予選ラウンドで見せた圧倒的強さを残念ながらまだこの決勝ラウンドで出せていないように思う。







第2試合のフランス対ポーランドもフルセットになる大接戦。結果はフランスが勝利し明日の決勝進出を決めた。

今日のフランスは非常に集中しミスも少なく、特に序盤、ポーランドに全くスキを与えなかった。途中、ティリー選手が負傷し、ベンチへ下がるアクシデントがあり、代わりにマーシャル選手を投入。若干ギクシャクする場面も見せるが、ルイジエ選手とエンガペス選手がチームを引っ張り、接戦を制した。ポーランドは今日もクーレック選手が打ちまくり、内容としてはほぼ互角の戦い。ただこの試合ではフランスに比べ若干ミスが多かったように思う。 

明日の決勝はおそらく誰もが予想していなかったフランス対セルビア。3位決定戦はアメリカ対ポーランドとなった。


日本決勝ラウンドへ

ワールドグランプリ予選の最終戦、日本はタイと戦った。結果は3-0 (25-19, 25-21, 25-15) で日本が勝利。

久々に木村選手がスタメンに入ったこの試合、序盤レセプションが乱れる場面があったが、日本はすぐに持ち直し、安定したバレーで試合をリードした。今日のポイントはブロックだったと思う。ここまでの最多12本のブロックでタイの攻撃を封じた。これだけブロックが出ると試合運びが楽になる。また劣性からではなく、試合を閉めるための2枚変えもうまく機能していた。中国と同じように、タイも2戦目なので、しっかり古賀選手をマークしているようだったが、今日は古藤選手がうまくセットを散らせていたように思う。
 
勝率で並んだセルビアが今日ドイツに敗れたため、日本はギリギリ6位で決勝ラウンド進出を決めた。

以下決勝ラウンドへの進出するグループ1上位6チーム
  1. ブラジル
  2. 中国
  3. アメリカ
  4. ロシア
  5. イタリア
  6. 日本

決勝ラウンドはアメリカのネブラスカ州オマハで7月22日からスタートする。 日本の初戦の相手は地元アメリカ、その後、中国、ブラジル、イタリア、ロシアの順で厳しい対戦が続く。 頑張れニッポン!

2015年7月17日金曜日

ブラジル、セミファイナル進出ならず

ワールドリーグ決勝ラウンド3日目、第1試合のアメリカ対フランスは、3-1でアメリカが勝利。

結果ブラジルのセミファイナルへの進出はなくなった。昨日とうって変わってチームが一体化した強さを見せたアメリカは、第3セットこそフランスに逆転を許しセットを取られるが、終始試合をリードした。マットアンダーソン選手だけに頼らず、他の選手が個々本来の力を出せば、現在アメリカは間違いなく世界トップチームだと思う。ブラジル戦で見せたように、全く機能しなくなってしまう選手が出てしまうのが今の課題ではないだろうか。逆にブラジル戦で素晴らしいバレーを見せたフランスは、この試合ではセッターのトニウティ選手とオポジットのルイジエ選手の調子が上がらず、いつもの彼ららしさを発揮することが出来なかった。






第2試合は既にセミファイナル進出を決めているポーランド対セルビア。 結果は3-2でセルビアの逆転勝ち。

初戦を落とし、あとのないセルビアは第1セットを簡単に落としてしまう。しかしその後エースのタナスエビッチ選手にエンジンがかかり、ポーランドのエース、クーレック選手とパワフルな打ち合いによる迫力のシーソーゲームで試合はフルセットへと持ち込まれる。最終セット接戦の末迎えたマッチポイント、セルビアのピンチサーバー起用がこの試合の勝利を決める。結果、イタリアはセミファイナルの進出ならず。

明日のセミファイナルはアメリカ対セルビア、ポーランド対フランスという組み合わせになった。




ワールドグランプリ中国戦


ワールドグランプリ香港大会の第2戦、日本は中国と戦った。結果は3-0 (25-13, 25-20, 25-17)で中国の勝利。

前回の戦いからしっかり対策を立ててきた中国に対し、日本は手も足も出なかった。前にも書いたが中国チームを見て思うことは各プレイヤーがレセプションなどの弱点を確実に修正し、サーヴなどのスキル向上をしっかり行ってチーム力をアップさせていること。同時にブラジルチームに通じるような対戦国への対策の早さ。もちろん日本も見えてこないところでのスキルのレベルアップや対策はおこなわれているのであろうが、残念ながらここまでの試合を見る限り、新人の古賀選手以外そういったところが明確にはみえてこない。おそらくこの試合ではいろんな選手を試し、ワールドカップに備えるという策なのかもしれないが、残念ながら今の中国チームに対し、日本の勝機は全く見えない試合だった。 

ドイツが勝率を伸ばしてきているので、日本の決勝ラウンド進出は微妙になってきたが、気持ちを切り替えて今日のタイ戦がんばってほしい。



ワールドリーグ決勝ラウンド、ブラジル、ポーランドが勝利

ワールドリーグ決勝ラウンドの2日目の第1試合、ブラジル対アメリカはブラジルが勝ち何とかセミファイナルへの希望をつないだ。あとが無くなりプレッシャーがかかったのか、今日のブラジルはミスが多が多かった〔特にサーヴ)。そんな中素晴らしい活躍をしたのが若いルカレリ選手。アメリカのエースアンダーソン選手と彼の打ち合い的な試合内容となった。一方のアメリカもホルト選手やゃサンダース選手の調子が上がらず苦戦。最後までのチームとしての本来の力を発揮できなかった。








続く第2試合、ポーランド対イタリアはポーランドが勝利。この大会で攻守ともに最も安定した力を見せているポーランド。今日は第2セットと第3セットで乱れ、イタリアに押される場面があったものの、効果的メンバーチェンジを交え持ち直し、イタリアを振り切った。 


2015年7月16日木曜日

アメリカ戦

ワールドグランプリ予選最終ラウンドの香港大会、日本は昨年の世界選手権チャンピオン、アメリカと戦った。結果はアメリカが 3-0 (25-23, 25-22, 26-24) で勝利。

ここまで若手主体のチームで全勝のアメリカは、この大会初めて昨年のベストラインナップに近いスタメンを起用。一方の日本は木村選手に変わり石井選手、セッターに宮下選手、対角に迫田選手で挑んだ。日本は序盤から良い動きを見せ、アメリカにしっかりとついていくが、中盤サーヴレシーヴが乱れ、連続得点を許してしまう。特に第3セット大きくリードしてからの逆転負け。もう少し早いベンチの対応があってもよかったのではと思う。今日のアメリカはミスも多く、かなりモタついていたので、日本がつけ込むチャンスは大いにあった。しかしレセプションに加え、ラリー中のセットが安定しない日本は、せっかく素晴らしいディフェンスが出てもの、なかなかそれを得点につなげることが出来なかった。そんな中良かったのはピンチサーバーとして起用された木村選手。各セット後半の追い上げに大きく貢献していた。途中鍋谷選手と一時交代するが、今日は石井選手も非常に良かった。またこの大会では日本のサーヴがあまり走っていないように見える中、島村選手がのエースがいつも良いところで出ている。

この試合と中国戦を見て感じたのは、レセプションが崩れたときの対策。ただ崩れた選手を変えるだけでなく、レセプションのできる選手を一時的に4人にして、狙われている選手のプレッシャーを軽くするような策があってもいいのではと思う。男子の試合では強いジャンプサーバーのローテーションでそういう策を一時的に取るケースを良く見る。今日の試合のように、アメリカはレセプションが乱れ始めるとシステムが崩れ、もろさを見せるところがある。中国のように崩れた2段を強烈に打ってはこないので、日本がラリー中の攻撃をもっと丁寧に組み立てれば、勝機は十分にある。それにしてもこの試合での両チームのディフェンスは本当に素晴らしかったが、アメリカのエンドコートへのボールや、ブロックタッチ後コード外後方に来るボールの処理は日本も参考にすべきだと思う。 


今日は中国とのリマッチ。頑張れ日本!




2015年7月15日水曜日

フランス、イタリアが勝利

ワールドリーグ決勝ラウンドのオープニングマッチは、フランスが地元ブラジルを破リ、初戦金星を上げた。

昨年の世界選手権、セミファイナル以来の顔合わせとなったこの試合、スローなスタートをきったフランスは、ブラジルのブロックに苦しみ序盤大きくリードされる。しかし粘りずよいディフェンスでチャンスをうかがうフランスのサーヴ、オフェンスに徐々にエンジンがかかり始める。第1セットこそ取られるものの その後勢いに乗ったフランスが続く3セットを連取し、後半ミスの出始めたブラジルを振り切った。フランスのグレベニコフ選手とブラジルのセルジオ選手による男子バーレ新旧のベストリベロ対決としても見ごたえある試合だった。

ブラジルは明日のアメリカ戦に勝たないとセミファイナルへの進出はなくなる。






第2試合のイタリア対セルビアはフルセットの末イタリアが勝利。中心選手を含む4人の選手を失った決勝ラウンドのイタリアは、残った選手と新たに加わった選手が奮起した。特に18歳のセッターのシモネ選手はセットワークだけでなく、サーヴ、ブロックでも大活躍。これからのイタリアをになう選手として注目される。一方のセルビアは強さと弱さ見せてしまう波のある試合展開をしてしまった。特にこの試合サーヴレシーブが安定せず、イタリアに簡単に連続得点を許してしまう場面が多々あった。



2015年7月14日火曜日

ワールドリーグ決勝ラウンドスタート!

ワールドリーグ決勝ラウンド〔ブラジル、リオ)がいよいよスタートする。

まずプールIにはブラジル、アメリカ、そしてグループ2の決勝でブルガリアを破り決勝ラウンド進出を決めたフランス。プールJはポーランド、セルビア、イタリア。力が均衡しているため、本来の調子を出せれば、どのチームにも優勝チャンスがあると思われる。もちろん地元のブラジルは若干有利となりそうだが、オポジットのワラス選手のケガが気になる。強豪の揃った厳しい予選プールを9-3で勝ち抜き、昨年に続く連覇を狙うアメリカ、この大会未だ負け無し14連勝、グループ2で抜ける強さを見せたフランス。オポジットにスイッチしたクーレック選手を軸に安定した強さの世界選手権チャンピオン、ポーランド、そしてグルビッチ新監督の元若い力が成長、勢いのあるセルビア。中心選手であるキャプテンのトラビッツァ選手、ザイツェフ選手、そしてサビ選手、ランダーッツオ選手の4人が現地入り後、チームルール〔門限といわれている)を守れなかったことにより急遽ロースターから外されたため、予選とは違ったチーム構成になってしまっているイタリア。どんな戦いになるのか楽しみだ。ブラジル対フランスの試合で今日開幕!  

2015年7月13日月曜日

ワールドグランプリ第2週を終えて


ワールドグランプリ第2週を終えての順位は以下の通り。


  1. ブラジル   18
  2. 中国    18
  3. アメリカ   17
  4. イタリア   11
  5. ロシア   11
  6. 日本    10
  7. タイ     8
  8. ドイツ    6
  9. セルビア   6
  10. ベルギー   3
  11. トルコ    0
  12. ドミニカ共和国 0
1位から3位まではここまで全勝のチーム。ブラジル、中国共に一勝すれば、開催国のアメリカと共に決勝トーナメントへの進出を決めることができる。問題は残りの3スポットで、現在4位から9位までのチームにまだチャンスが残っているわけだが、最後までわからなくなりそうだ。そんな中、日本とタイは上位のアメリカ、中国と同じブールなので、現在下位のドイツ、セルビアに逆転されることも大いに考えられる。日本としてはとにかくタイ戦でしっかり3ポイント、そしてできればアメリカもしくは中国に勝利、負けてもフルセットまで持ち込んで少しでも多くのポイントを取っておきたい。日本戦に加えて、楽しみなのは中国とアメリカの試合。先月の親善試合ではアメリカが勝ち越しているが、公式戦となれば、緊張感が違う。ワールドカップまで、手の内を隠す可能性もありそうだが、昨年の世界選手権決勝の再現。両チームともに力が入ることは間違いない。 

今週も頑張れ日本!

 

2015年7月12日日曜日

中国に完敗

ワールドグランプリ埼玉大会最終日、日本はここまで全勝の強豪中国と戦った。

第1セット、日本の単調なレフト主体の攻撃は、高さを誇る中国に全く通用しない。日本としては最悪のパターンだ。サーヴで崩されてしまったのは大きいが、日本の攻撃は、あまりにもシンプルすぎて、簡単に相手のブロックにつかれてしまう。特にトランジッションからの攻撃。高さのある中国に対して、もう少し工夫された攻撃戦略があっても良かったのではないかと思いつつ、この試合を見ていて、今の日本のチームはただ戦うのに精一杯でそういった余裕は見られない。第2セットの序盤、中国のブロックを見事に振った山口選手と長岡選手によるコンボ。ああいった攻撃がもっともっと必要だと思う。2枚ブロックにつかれたレフトの打ち合いになってしまっては、中国に勝つことはまず難しい。加えて本来の持ち味でもあるサーヴ、レシーヴ力がこの大会ではまだあまり出ていない。ハイブリッド6という戦術から元のフォーメーションに戻った今シーズン、いろんな部分で日本はまだまだチームが未完成で目指しているバレーの形が見えてこない。そんな中、逆にオリンピックに向け確実に進歩している今の中国チームとの差を、厳しい形はあるがこの試合で知れてよかったのではないかと思う。

中国チームは、若い力の成長、そしてロウヘイ監督が良く口にしていた「チームに無い部分」を補強し、着実に強くなっている。特にサーヴ力の強化はこの試合でも見事な成果を見せていた。加えてブラジルにも通じる勝ちたい気持ちを前面に表し、自らを調子つけるバレーだ。アメリカと共に現時点では他のチームから抜け出ており、間違いなく今回、そしてワールドカップ優勝候補だ。

日本はいよいよ、来週そのアメリカ、そしてもう一度中国と対戦する。 是非頑張ってほしい!  



2015年7月11日土曜日

ドミニカに快勝!

ワールドグランプリ埼玉大会の2戦目、日本はドミニカ共和国と戦った。結果は3-0で日本の勝利。

監督を含む中心選手のほとんどをトロントで行われているパンアメリカンの試合に送り込んでいるドミニカ共和国は、この大会ここまで勝利が無い。この試合でもミスが多く、最後まで流れをつかめないようだった。日本は古賀選手に変え、ここまでピンチサーヴァー以外なかなか出番のなかった石井選手、そして昨日活躍した宮部選手をスタメンから起用。今日は第1セットからセンター攻撃を織り交ぜた巧みな攻撃を見せ、終始試合をリードした。またここまであまり見せていなかったビック攻撃も良く決まっていた。途中、いろんな選手を起用し、真鍋監督はチーム全員の選手に調子を上げるチャンスを与えているように見えた。今日の中国戦に備えたのか。

その中国はここまで全勝、昨年よりさらにチーム力がアップしており、これまでの相手より確実い強い。日本が勝つためには、まずサーヴで崩し、高い攻撃を一本でも多く上げることが不可欠。特にエンドラインめがけブロックの上から強く打ってくるボールに対するレシーブ対策をとってほしい。この大会の大きな山。頑張れ日本!